中学の技術の授業が変わる!2030年度からの情報教育とは?

みなさんは、中学校の「技術」の授業でどんなことを学びましたか?
木工や金工、製図、プログラミング……もしかすると、技術の授業自体を受けなかったという方もいるかもしれません。

実はこの「技術」の授業、ここ50年で大きく変化してきました。年代によって内容が大きく異なる、最も変化の激しい教科のひとつかもしれません。

ざっくり振り返ると
1970〜1980年代は、技術の授業を受けるのは男子のみ。内容は木工や金工が中心でした。
1990年代になると、女子も技術の授業に参加し、男子も家庭科を学ぶようになります。この頃から、コンピュータの基礎や、簡単なプログラミング、通信技術なども扱われるようになりました。
そして2010年代以降、「技術」の中で扱われる4分野のうちの1つが「情報の技術」とされ、以下の4つの学習内容が定められます:

・情報社会と技術の発展
・生活や社会を支える情報の技術
・ネットワークを利用した双方向性のあるプログラミングによる問題解決
・計測と制御のプログラミングによる問題解決

現在もこの構成は変わっていませんが、技術・家庭科あわせて週2時間程度の授業時間で、情報の分野をじっくり学ぶのは難しいというのが現状です。

ところが、2025年(今年)に大きな動きがありました。
5月22日、文部科学省は中学校に新教科「新・技術分野(仮称)」を創設する方針を示しました。これは、現行の「技術・家庭科」を分離し、情報教育を大幅に拡充するというもの。2030年度から段階的に導入される予定で、授業時間も増える見込みです。

新しい教科では、生成AI、デジタルデータ分析、制御系プログラミングなどが学習内容に加わる予定です。現在の技術の授業や、小学校のプログラミング授業と比べても、より実践的かつ社会との関わりを意識した内容になると考えられます。

社会のあらゆる分野に情報技術が浸透している今、小中学生にとっても情報教育はますます重要になっています。
これからの中学校で、どのような授業が展開されていくのか、とても楽しみです。(清水)